線維筋痛症は、全身の広い範囲に3か月以上も激しい痛みが続く病気で、関節や筋肉、腱などに痛みが出ることがあります。
また、痛みが原因による不眠やストレス、抑うつ状態を引き起こすこともあります。
原因はまだよくわかっていませんが
・遺伝的要因や感染
・身体的または精神的な外傷
・ストレスなどが関係していると考えられています。
診断基準は、3か月以上の広範囲の痛みがあることが必要であり他の原因がない場合に確定診断されます。
症状
線維筋痛症の主な症状は、以下のように分類されます:
筋肉痛: 全身的な筋肉痛が特徴で、しばしば鈍痛や強い痛みとして現れます。
特に首、肩、背中、腰の周辺の筋肉に痛みが生じることが多いです。
疲労感: 線維筋痛症の患者は、軽度の活動や日常生活動作に対しても異常な疲労感を経験します。
長時間の睡眠や休息をとっても疲労感が取れず、疲れやすさが継続します。
睡眠障害: 多くの患者が睡眠障害を抱えており、深い眠りに入れず、浅い眠りが続いたり、睡眠中に何度も目が覚めたりすることがあります。
これにより疲労感が増大し、日中の生活にも影響を与えます。
その他の症状: 頭痛、集中力の低下、うつ状態、不安感、胃腸の不調、めまいなどの症状も線維筋痛症に関連して現れることがあります。
線維筋痛症の割合
線維筋痛症の有病率は、国や地域によって異なります。
アメリカでは、一般人口の2〜3%が線維筋痛症に罹患していると推定されています。
日本では2003年の厚生労働省の調査によると、一般人口の約1.7%が線維筋痛症に罹患していると推定されていますが、2011年の調査では国内に推計212万人の患者数がいるとされています。
線維筋痛症は、女性に男性の約2〜3倍の頻度で多く発生します。
また、中年女性に多く発症年齢のピークは40〜50歳代が多く発症します。
しかし環境に関係するため若い人でもかかる可能性があります。
セルフケア
線維筋痛症の症状管理には、セルフケアは重要な役割を果たします。
以下にいくつかのセルフケアのポイントをご紹介します。
定期的な運動: 散歩、水泳、ヨガなどの低負荷の運動を行いましょう。
軽い運動から始め、徐々に強度や時間を増やしていきます。
運動は痛みの軽減や睡眠の改善、全体的な健康増進に役立ちます。
ストレス管理: 深呼吸、瞑想などのリラクゼーションを行い、ストレスレベルを下げましょう。
ストレスは線維筋痛症の症状を悪化させる可能性があるため、うまくストレスのバランスをとることが重要です。
睡眠の質を向上: 定期的な睡眠スケジュールを確立し、快適な睡眠環境を整えましょう。
寝室は涼しく、静かで暗い環境にしましょう。
就寝前の刺激的な活動やスマートフォンなどの電子機器の使用を避け、上記にも書いたリラクゼーションテクニックを試してより良い睡眠を促します。
バランスの取れた食事:
- フルーツ
- 野菜
- 全粒穀物
- 低脂肪のタンパク質
- 健康的な脂肪を含むバランスの取れた食事
以上を気をつけて摂りましょう。
次の
- 加工食品
- 甘いお菓子
- カフェイン
これらは症状を悪化させる可能性があるため摂取量を制限しましょう。
ペース配分と活動管理: 自身の体の限界に注意し、過度な負荷を避けましょう。
休息と身体活動のバランスを見つけることで、症状の誘発や悪化を防ぎます。
線維筋痛症になぜ鍼灸が有効なのか
鍼灸が線維筋痛症に対して効果がある可能性がある理由をいくつか示します。
神経系の調整: 鍼灸は神経系に働きかけて痛みや不快感の伝達や調節を改善します。
症状によって神経伝達が崩れたことに対して鍼灸を整えることで症状の改善をします。
筋肉の緊張緩和: 鍼灸は筋肉の緊張を緩和する効果があります。
緊張した筋肉は線維筋痛症の症状を悪化させることがあります。
この痛みは施術を行うことにより緊張がほぐれることで症状の軽減します。
血流の改善: 鍼灸は血流を改善する効果があります。
十分な血流は酸素や栄養素の供給を促進し、炎症の軽減や組織修復をします。
線維筋痛症には血行障害や炎症が関与している可能性があります。
そのため鍼灸が血流の改善をし、症状の軽減につながります。
まとめ
線維筋痛症は難病指定であり現在これといった解決策のない病気です。
その選択肢として鍼灸を活用していただき
つらい症状を少しでも緩和してもらいQOLをより高めてみてはいかがでしょうか
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